エトピリカの意味とは?アイヌ語が語源で実は何かの名前?!エトピリカといえば葉加瀬太郎の曲?エトピリカの意味とは?エトピリカの由来を辿ると語源はアイヌ語だった?エトピリカは実は何かの名前?!その正体は北太平洋に住むあの生き物!!エトピリカについて詳しく調査してみました!!
エトピリカの意味とは?語源はアイヌ語?
エトピリカの語源はアイヌ語のEtupirkaです。
エトピリカは「Etu(エト)→くちばし」と「pirka(ピリカ)→が美しい」という二つのアイヌ語から成る言葉で、「美しいくちばし」という意味があります。
アイヌは主に北海道に居住する先住民族で、北海道や東北地方にはアイヌ語に漢字を当てはめた地名がいくつも存在します。
エトピリカのようにアイヌ語を語源とする生き物や食べ物と合わせていくつかご紹介します(*^^*)
地名や名称 | アイヌ語と意味 |
---|---|
石狩(いしかり) | イシカリペツ 屈折した川、流れが激しい川 |
小樽(おたる) | オタルナイ 砂だらけの川 |
帯広(おびひろ) | オペレペレケプ 川尻がいくつにも裂けているところ |
占冠(しむかっぷ) | シュムカプ 白樺が群生しているところ |
知床(しれとこ) | シリエトク 大地の頭の突端 |
千歳(ちとせ) | シコツ 大きな窪地 |
根室(ねむろ) | ニムオロ 樹木が繁茂しているところ |
利尻(りしり) | リイシリ 高い島 |
ラッコ | ラッコ |
ししゃも | シュシャム シュシュ(柳)+ハム(葉) |
トナカイ | トゥナッカイ |
コロポックル |
コロポックル コル(ふきの葉)+ポク(下)+クル(人)→伝説の小人 |
エトピリカはあの生き物の名前?
エトピリカと呼ばれる生き物とは?
エトピリカの正体は北太平洋の沿岸に多く生息する海鳥です。
見た目の美しさから日本では「花魁鳥(おいらんちょう)」とも呼ばれます。
チドリ目ウミスズメ科で、全長は約40cmです。
潜水能力が高く、潜れる深さはなんと10m!
その能力を活かし一度の潜水で大量の魚を捕まえます。
しかし飛ぶ能力はあまり高くないため、飛んでいる間に咥えた魚を落とすことも(^^;)
「美しいくちばし」という意味の名の通り、大きくて鮮やかな橙色のくちばしが最大の特徴と言えます。
画像のエトピリカは顔が白く、くちばしの根元は黄褐色ですね。
また目の真上あたりから後頭部にかけて黄色い飾り羽があるのがわかります。
この見た目が花魁鳥と呼ばれる理由ですが、この姿のエトピリカを見られるのは実は繁殖期だけなんです!
エトピリカの繁殖期は4~8月です。
この時期になると、まるで着飾るように飾り羽が表れ、顔の半分が白く変化します。
見た目に雌雄の差はあまりありません。
エトピリカの求愛行動はお互いのくちばしを合わせるほか、オスがメスを追いかけてくちばしをカタカタ鳴らす様子も。
普段は海の上で生活しますが、繁殖期になると海岸沿いの険しい崖の上に巣を作り卵を産みます。
繁殖期が終わり冬羽になると飾り羽はなくなり顔は黒色、くちばしの根元も灰色へと変化します。
エトピリカのくちばしの根元部分が外れることをご存知でしたか?
春になるとクチバシの表面が爪と同じくらい硬い角質へと変化し、根元の色も黄褐色になります。
この角質は嘴覆(しふく)とも呼ばれ、繁殖期が終わる頃に外れ元の灰色の根元が姿を現します。
エトピリカと同じウミスズメの仲間やペンギン・ペリカンにも繁殖期が終わるとクチバシの一部が外れる種類の鳥がいます。
キングペンギンのクチバシも、オレンジ色の部分が一年に一度外れることが大きな話題になりましたね(*^^*)
野生のエトピリカは日本で見られる?
エトピリカは動物園は水族館で見ることができますが、野生のエトピリカを国内で見ることは可能でしょうか?
野生のエトピリカは、かつては北海道東部に位置する島に多く生息していました。
しかし1970年代に激減、国内では絶滅危惧種となりました。
漁業用の定置網に引っ掛かり命を落としてしまう、エサとなる魚の減少などが主な原因とされています。
現在は根室市のユルリ島・モユルリ島、浜中町浜中小島で確認されており、運が良ければ4~8月にクルーズ船での観察が可能です(*^^*)
エトピリカの繁殖を増やすために、仲間の元へ戻る習性を活かしてデコイと呼ばれる人形を海に浮かべるほか定置網の工夫などの対策も行われています。
保護地区へ無断で入らない、ゴミを海に捨てないなど、私たちにできることも沢山ありますね。
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