ディストーションの意味とは?レンズ/カメラ?ギターでも使う言葉?ディストーションの意味って何?聞いたことが無いんだけど。なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで、ディストーションという言葉に関連のあるレンズ/カメラやギターについても、簡単に紹介していきます。
ディストーションの意味とは?
ディストーションの言葉の意味は以下の通りです。
ディストーションは『歪み(写真などで、画像がゆがむこと)』『音のひずみ』を意味します。
また、音をひずませることを「ディストーションをかける」と言います。
どんな時に使う言葉?
ディストーションはどんな時に使われている言葉なのでしょうか、簡単に紹介していきます。
レンズ/カメラでも使う言葉?
カメラ用語の中に、レンズの収差像が歪む現象の『ザイデル収差(ザイデルの5収差)』といわれるもがあります。
『ザイデル収差』
・『球面収差』光学系において点を光源とする光線が光学系を通った後、焦点1点に収束せず前後にばらつく収差。
・『コマ収差』光軸外の1点を光源とする光が、像面において1点に集束しない収差。
・『非点収差』光軸外の1点を光源とする光が、レンズに対して同心円方向と直径方向で焦点距離がずれる収差。
・『像面湾曲』レンズの前側と後側で、レンズに平行な焦点面が平面から平面に対応しない、という収差。
・『歪曲収差』正しい方眼の物体を光学系により投影した時、像が正しい方眼にならない収差。
上記に挙げた五つの収差の内、『歪曲収差』を『ディストーション』とも呼ばれます。
ちなみに、歪曲収差には『糸巻き型歪曲(正の歪曲収差とも呼ばれる)』と『樽型歪曲(負の歪曲収差とも呼ばれる)』という2つの種類があります。
- 『糸巻き型歪曲(正の歪曲収差とも呼ばれる)』は、面周辺部の直線が内側に曲がるため、方眼面を撮影すると中心部に向かって糸巻きのような形に縮みます。
- 『樽型歪曲(負の歪曲収差とも呼ばれる)』は、画面周辺部の直線が外側に向かって曲がるため、方眼面を撮影すると樽の形のように膨らみます。
ディストーションの量は、レンズの光学設計で決まり、広い実視野が得られるレンズほどディストーションの量も大きくなります。
ギターでも使う言葉?
[出典元]https://www.soundhouse.co.jp
ディストーションは、音像の歪み、またその歪んだ音色そのものを指すことから、エレキギター等の音響信号を増幅回路で増幅した後、クリッピング素子に過大入力として与えることで、意図的に歪ませる音響機器として、主に、エレキギター、エレキベース、電子オルガンに使用されています。
『ディストーション』の類似音響機器
『オーバードライブ』
楽器用アンプなどにおいて、電子楽器から過大な出力電圧が加えられるかアンプ回路内部で過大増幅に陥った際に、回路性能の限界で飽和し出力音が歪(ひず)んでしまう状態を指します。
オーバードライブ(Overdrive)とは『酷使』『過負荷』の意味で、増幅回路にとって異常な動作状態を指す用語です。
『ファズ』
ファズ(Fuzz)とは『毛羽立った』という意味で、名前もそれに由来します。割れた音色や雑音を示す擬声語です。
旧来の粗野で原始的な音色の『ファズ』とは差別化し、その中で比較的マイルドで柔らかい音色が出せる方を『オーバードライブ』、より荒々しく硬質で深い歪みまで達することができる方を『ディストーション』と名づける傾向があります。
楽器演奏者やエフェクターメーカー等の業界では、『ディストーション』は『オーバードライブ』に比べて、より荒々しく硬質で深い歪みを得るもの、という認識が一般化していますが、同じく歪みを得る目的のエフェクターである『ファズ』『オーバードライブ』の区別はある程度まで感覚的なものであり、明確な範囲は無く、定義はあいまいです。
しかし、いずれも既知の代表的製品の音色・イメージに影響を受けたネーミング次第であり、上記のように、回路の種別などから見ても明確な定義は存在せず、一台でカバーする範囲が広い製品も多く存在します。
したがって、エフェクターの製作者が「これはディストーション」と言えば、そのように認識される傾向があります。
19020
19503