心肺停止と死亡の違いとは?蘇生可能な時間や生存率は?報道が変わる理由は?ニュースでよく聞く心肺停止や死亡という言葉、この違いを理解できていますか??もしも、蘇生可能な場合その時間が生存率にも関わります。そして心肺停止と死亡とで報道が変わる理由も詳しく説明していきます。
心肺停止とは??
心肺停止の意味とは、心臓と呼吸が止まった状態のことを指します。
心臓と肺が止まる順番は関係なく、どちらの場合も「心肺停止状態」と呼ばれることに変わりはありません。心臓の血液拍出機能が止まることを心停止、肺が自発的に外呼吸機能が働かなくなり換気することのできなくなった状態を肺停止と言います。
一方が停止すると自然ともう一方も停止し、死に至ることから、その順番は特に重要ではないのです。しかしすばやい処置、心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)、若しくは人工呼吸などで蘇生する可能性もあります。
死亡とは??
心肺停止の意味が分かったところで、次は死亡の意味を解説していきます。
死亡とは心臓、脳、肺のすべての機能が止まってしまった状態を指します。つまりは、もう全ての臓器の機能が働かなくなり、この状態になると蘇生が不可能になってしまいます。
日本での死亡の定義は心停止、呼吸停止、脈拍停止、瞳孔散大(黒目が通常よりも大きくなった状態)という4つの条件がそろい、それを基に医師のみが判断することのできる状態のことを言います。
つまり、例え見るからに死亡している状態だとしても、警察や救急隊ましてや一般人が判断することはできません。
もしも蘇生可能な状態だったとしても死亡と判断してしまうと救える命が救えなくなってしまうかもしれないからです。
蘇生可能な時間や生存率って??
もしも心肺停止と判断された場合の蘇生可能な時間や生存率ってどれくらいなのでしょう?
まず、なぜ心肺停止で死ぬのかというと脳に血が回らなくなることが原因とされています。脳に血が回らなくなると、酸素が細胞に行き渡らなくなり細胞自体が壊死してしまいます。
心肺停止になってから、1分で97%、2分で90%、3分で75%、4分で半分まで下がり、5分で25%、そして10分も経つと生存率は限りなく0になります。
倒れてすぐに発見され、迅速な処置を取らなければ1分ごとに約10%近く生存率が減っていき、3~5分経つと脳機能が完全に停止し、後遺症が残る確率が格段に上がり、植物状態になる可能性も上がってしまいます。
報道が変わる理由とは??
最初にも説明した通り、心肺停止と死亡の違いは医師の診断があるかどうかです。そう考えると報道が変わる理由も自ずとわかってくるのではないでしょうか。
発見した時から医師の死亡宣告がでるまでに報道されると「心肺停止」。医師の死亡宣告が出た後に報道された場合は「死亡」と流れます。
ニュースで心肺停止と報道されていたのに、死亡と情報が変わる場合があるのはそういう理由からです。
ちなみに海外では日本のように心肺停止の状態というものが存在せず、発見時に心停止と肺停止が確認されたら医師の診断があろうとなかろうと死亡という報道を流します。
日本では家族の配慮及び法律的観点から報道を分けているようですが、海外では無駄な希望を持たせず気持ちを切り替え前に進めるようにと報道を分けていないようですね。
7665
7714