頭陀袋のずだの意味が怖い?元々の語源(由来)は僧侶に関係?英語表記は?漢字を見ても一瞬で「ああ、あれね」とものが浮かぶ人は少ないであろう頭陀袋。ずだぶくろと読むこの袋の怖い意味とは?語源の由来は僧侶に関係がある?英語表記にできるものなの?そんな疑問を解決します!
頭陀袋ってどういう意味?
頭陀袋という漢字だけ出された状態だと、「一体何だろうこれは……。袋とあるけれど、どんな袋だろう?」と思いそうなものですよね?
これは「ずだぶくろ」と読み、別名を「じゅうざ袋、五穀袋」と言います。
もしかしたら「ずた袋」として耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、残念ながらこれは間違い!
頭蛇袋とも書きますが、蛇の頭と知ってる漢字が出てくるとますます怖く感じてしまいますよね(; ・`д・´)
どんな袋かと言うと、いろいろなものが入るような、だぶだぶした大きな布製の袋のことなんです!
(蛇は全く関係ありませんでした(*´ω`*))
イメージしやすい例でいうと、きんちゃく袋やショルダーバッグのようなものです。
もしかしたらお婆ちゃんやおじいちゃんから、「あら、可愛い頭陀袋ね」なんて言われた記憶がある人もいるかもしれませんね。
頭陀袋の由来は?
なるほど、物騒な字を使っているけれど、要するに大きいショルダーバッグのようなものなのか、と納得がいったところで、今度は由来が気になりませんか?
これは、現在では確かにショルダーバッグのようなものをさしますが、もともとは僧侶が持っていたものだったんです!
たまに駅や商店街などで、鉢を持ってお経を唱えているお坊さんの姿を見ませんか?
あれは托鉢と言って、お経を唱えながら食物や金銭を鉢に受けて回るという修行の一つなんです(*´ω`*)
この托鉢、別名を頭陀行ともいい、そこから貰ったものを入れておく袋を、頭陀袋と言うようになりました!
では頭陀って何でしょう?
「捨てる」「落とす」を意味する梵語「Dhuta」の音訳をしたもの。
衣食住に関する欲望を「捨てて」、けがれた気を「落とす」修行が頭陀行なんですね!
じゃあ頭陀袋って、お坊さんの修行中しか見ることができないの?
いいえ、そんなことはありません!
実はお坊さん以外に、目にする機会があるんです。
それは……なんと、お葬式!
ちなみにキリスト教や神道のものではなく、南無阿弥陀仏と唱えられる仏教式のお葬式です。
お葬式の時に、亡くなった人は白い装束に着替えて、三角巾のようなものをつけて……といろいろな準備をしますよね?
これは死後の世界で、生前の自分の行いがどれだけ良いものか、悪いものかを判断する裁判を受けるために必要なものなのです。
四十九日、一回忌、三回忌、などと耳にするように、死後の裁判は現世と同じでとても長い。裁判所へ行くのにも、交通手段は何とほぼ歩きのみ!と言われています。
何故か、というと、きちんと裁判所まで歩いてきたかというのも判断の一つとみなされるからだとか。
そのため、亡くなった人に頭陀袋を身につけさせて、その中に死後の旅路に必要なものを入れておくんですね( *´艸`)
六文銭(紙製のものが多い)※三途の川を船で渡るのに必要な運賃
お米
近親者の爪や髪の毛
頭陀袋って作れるの?
お葬式の死装束は、葬儀屋で買いそのまま亡くなった人に身につけるという場合が多いのですが、地域によっては頭陀袋は手作りする、というところもあるようです。
その際、実はいくつかの決まりごとがあります。
1:複数人で作ること
2:玉止めをしないこと (場合によっては針を付けたままにする)
昔からの決まりごとにはたいていきちんとした意味があるものです。
この決まりごとは、「亡くなった人の、亡くなった後の関わりを分散することで、道ずれにされないようにという目的」でした。
血が近いと、つい何かにひかれて一緒に亡くなってしまう、なんていうオカルトチックな噂もあります(-_-)
ではどうやって作るのか、というと。
なんと、一枚の布を、切ったり継いだりせずに、折って縫うだけ!
日本の伝統装束、着物もいくつかの長方形を組み合わせて作られたものだと考えると、日本人は本当に無駄を嫌う人種なんだなぁと、少し誇りに思ったりしちゃいますね(*´ω`*)
頭陀袋は英語だとどういえばいいの?
由来も作り方も知ったついでに、英語での表記も覚えてしまいましょう!
「そもそも仏教式のお葬式なんて日本くらいじゃないの?」
「英語を使う国だと、お葬式は大体キリスト教形式だから、頭陀袋ってないんじゃないの?」
と思った人、鋭いですね(; ・`д・´)
実はその通りで、明確に頭陀袋を意味する単語は残念ながらありません。
けれど、頭陀袋に似た意味の単語や慣用表現はいくつか存在します。
「A holdall」「A cloth sack」「A duffle bag」
A bag which an ascetic wears around his neck
(修行僧が首にかけている鞄)
A bag put around the neck of a dead person
(死んだ人の首にかけられてる鞄)
日本に留学に来ていた外国人が、お葬式に来たときに聞かれるかもしれない、と思って頭の片隅にそっと置いておきましょう( *´艸`)
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