兎に角の意味と読み方は?語源(由来)と兎角・兎も角・兎にも角にもとの違いを徹底調査!「兎に角」の意味や読み方ご存じですか?語源(由来)や似たような「兎角」、「兎も角」、「兎にも角にも」との違いはなんでしょうか?今回は「兎に角」の意味や語源(由来)・類語もご紹介します!
兎に角の意味と読み方は?
「兎に角」は、「とにかく」と読みます。
辞書で調べると「兎に角」の意味は下の通りに説明されています。
「兎に角」
( 副 )
〔「とにかくに」の転〕
① いろいろ事情や問題があるが、それはひとまず保留にして当面の、または他の問題に言及するさま。いずれにしても。ともかく。とにもかくにも。 「 -やってみよう」
② (「…はとにかく」の形で)それは別にして。さておき。 「それは-(として)、あの話はどうなった」 「君は-、彼はだめだ」 〔「兎に角」とも書く〕
出典(https://www.weblio.jp/content/%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%8F)
上の説明の①の用法では「あれこれどうであるか(またはどうなるのか)わからないが」という意味を表すのに使われ、②の用法では「…については構わずに、」という意味で使われています。
とにかくの「と」とは「そのように」、「かく」は「このように」という意味です。
この二つの副詞が合わさって「とかく」という「何やかや」「あれこれと」という意味の言葉が使われるようになり、転じて「いずれにせよ」という意味で用いられるようになりました。
平安時代から江戸時代までは「とかく」は「とにかくに」という形で使われるようになり、「とにかくに」が転じて「とにかく」となりました。
「兎に角」の語源(由来)は?
「兎に角」の漢字は「とかく」の当て字「兎角」を由来としていて、「兎角」の漢字は仏教語の「兎角亀毛(とかくきもう)」からきていると考えられています。
「兎角亀毛」は兎(うさぎ)に角(つの)や亀(かめ)に毛(け)が無いというように、現実にはあり得ないものの喩えとして使われたり、実際には無いものをあるとすることとして使われている言葉です。
このような「兎角亀毛」の意味とは全く関連がありませんが、「兎」と「角」の漢字をここから拝借して「兎に角」となったようです。
夏目漱石が自著の中で「兎に角」を多用したことから広く使われるようになりました。
「兎に角」と「兎角」、「兎も角」、「兎にも角にも」・・・それぞれの違いは?
「兎に角」は、「兎角」、「兎も角」、「兎にも角にも」とどのような意味や使い方の違いがあるのでしょうか。
辞書ではそれぞれ下の通りに説明されています。
「兎角」
(一 ( 副 ) スル
「と」 「かく」ともに副詞。「兎角」「左右」は当て字〕
①雑多な事態の起こるさま。あれやこれや。なにやかや。いろいろと。 「 -するうちに」 「他人のことを-言う前に自分の身を正せ」
②しばしばそうなる傾向があるさま。ともすると。ややもすれば。 「あせってやると-失敗しがちだ」 「彼は-病気で休むことが多い」
③(「とかくの」の形で)あまり好ましくないことがあれこれとある意を表す。 「 -の見方がある」 「 -のうわさがある」
④種々の事情は別として。いずれにしても。 「 -この世はままならぬ」
二 ( 名 )
種々の事態。あれこれの事柄や言葉。 「先師暫く吟じて-をのたまはず/去来抄」
出典(https://www.weblio.jp/content/%E3%81%A8%E3%81%8B%E3%81%8F)
先述の通り「とにかく」は「とかく」から派生してきた言葉ですが、「とかく」の上の説明の①~③は「とにかく」と置き換えられないように、現代では「とかく」を「とにかく」とほとんど言い換えることができません。
「兎も角」
( 副 )
①不確かな点はさておいて,まずは実行したり判断したりするさま。とにかく。ともかくも。 「留守かもしれないが,-行ってみよう」
②(「…はともかく」の形で)それは問題外として。 「夏は-,冬がつらい」
出典(https://www.weblio.jp/content/%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%8B%E3%81%8F)
「とにかく」と「ともかく」はほとんど同じように使われていますが、厳密に見ると下のような違いがあります。
「とにかく」は「前に考えや評価を示して、こちらをそれよりも優先させたい、強調したい」というときに使われます。
例1「ルックスはあまり良くないが、とにかく彼はとても優しい人だ」
例2「経費は多少かかってもよいが、とにかく月末までになんとか仕上げてくれ」
対して、「ともかく」は「前に挙げたことを今はよく考えることはせずに、それと関連する別のことを話したい」ときに使われます。
例1「僕はともかく、母まで連れていくなんてどうしてだ」
例2「英語はともかく、数学の点数がすこぶる良くない」
「兎にも角にも」
( 副 )
とにかく。ともかく。 「 -私のつとめは終わった」
出典(https://www.weblio.jp/content/%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%82%82%E3%81%8B%E3%81%8F%E3%81%AB%E3%82%82)
「とにもかくにも」は「とにかく」でも「ともかく」でも言い換えられます。「とにかく」や「ともかく」をより強調した言い方です。
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