手をこまねくの意味や例文・類語・由来とは?慣用句「手を焼く」との違いは何?「手をこまねいている」、なんてたまに耳にしますよね。でも意味を聞かれると意外と説明に困ってしまったり具体例が出ないもの。ここで例文や類語、由来や「手を焼く」との違いをまとめて覚えちゃいましょう!
1422
1408
手をこまねくの意味の前に…そもそも「こまねく」って何?
「手をこまねく」、たまに聞くけれど、一体どういう意味でしょう?
そもそも「こまねく」って?
指の体操みたいにうねうねと動かすこと? しっかりと両腕を組むこと?
ビートたけしの特技……は違いますね(-_-;)
「手をこまねく」を漢字で書くと「手を拱く」となります。
この「拱く」という字は、もともと「こまぬく」と読んでいたもの。
長い時間をかけて発音しやすい「こまねく」になったんですね♪
これは、もともと中国の敬礼の動作から来ているんです!
この動作を「拱く」といいます。
日本で言うと、お辞儀ですが…
昔の中国では両手を胸の高さに持ってきて重ね合わせることが礼儀作法の一つとされていました。
アニメやドラマなどで、片膝をついて、片手をグーにして、パーにした反対の手で包みお辞儀をしているような人を見たりします( *´艸`)
世界地図を見てもわかるように、中国は広く、歴史がとても長い国なので、この方法以外にもさまざまな礼儀作法があるようですが、「手を胸の前で合わせる」という動作は同じみたいです。
昔の日本は多くのものを中国から持ってきて、使用することがありました。
今では当たり前のように使っている漢字も、もともとは中国のものです。
さて、そんな昔の日本人が、中国のお辞儀を見てどう思ったのでしょうか?
「うーん……なんか、腕を組んでじっとしているなぁ。あ、もしかして困っているのかな?」
そんなことを思ったのかもしれませんね。
そこから
「手をこまねく」=「腕を組んでじっとしている」=「何もできないで傍観している様子」
と現在の意味になっていったようです(‘◇’)
手をこまねく、どんな時に使えばいい? 似た言葉はあるの?
何もできずにじっと傍観する様子をあらわす「手をこまねく」ですが、どんな時使えばいいのでしょうか?
具体例をあげるとこんな感じです。
- 手をこまねいていて、手柄を横取りされる。
- 火事が燃え広がるのを、手をこまねいて見ているしかなかった。
- 反抗期の息子に手をこまねいていると後悔をする。
うーん、なんだか分かったような、分からないような微妙な感じですね(-_-;)
「手をこまねく」は、
自分にはどうしようもできない!
もしくは
なんとかする能力はある、しなければいけないけれど、何もしない
という時に使えます。
似たような場面で「手をこまねく」以外の言い方も覚えてしまいましょう♪
◆腕をこまねく・拱手傍観(きょうしゅぼうかん)
意味:自分は何もしないで、人のすることをただ黙って見ていること。
◆指をくわえる
意味:羨ましがりながら、手を出せずに見ている。
◆高みの見物
意味:第三者の立場から興味本位に物事の成り行きを見ていること。
ちなみに、最近「準備して待っている」という意味で使われているのを聞きますが、これは間違い。
「手ぐすねを引いて待つ」(意味:準備して待つこと)
とごっちゃにならないように気をつけましょう(*’▽’)
「手を焼く」と「手をこまねく」ってどう違うの?
ちょっとここで二つの例文を出してみます。
どこがどう違うのか説明できますか?
A.反抗期の息子に手をこまねいている。
B.反抗期の息子に手を焼いている。
どちらもふとした会話の中に出てきそうですが、意味は真逆なんです!
詳しく見ていきましょう!
Aの方の例文の状況を説明すると、
「反抗期の息子に対して、何もせずにただ見ているだけである」
になります。
うーん……何故でしょう、どこか悲しい空気を感じちゃいますね……(-_-;)
対してBの例文です。
「反抗期の息子に対して、うまく処理できなくて困る、てこずっている」になります。
こちらはきちんと息子と向き合っている感じがしますね(*^-^*)
「手をこまねく」が「何もしないで見ている」ということに対して、
「手を焼く」は「うまく対処ができないので困る、てこずる」という意味になります。
似ているようで似ていないこの二つの慣用句ですが、使いどころを見極めてしっかり覚えていきましょう!
511
972