覆水盆に返らずの意味と使い方・由来は?中国の夫婦の物語が語源?覆水盆に返らずってよく聞くことわざですが、意味と使い方ってきちんと分かっていますか?その上その由来や語源が中国の夫婦の物語からだなんて寝耳に水もいいところなのでは?そんな良く分からない覆水盆に返らずということわざを調べてみました。
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覆水盆に返らず、その意味とは?
一度離縁してしまった夫婦の仲はどう頑張ったとしても元には戻らないということのたとえです。
そこから転じて、一度してしまった失敗はどう頑張っても取り返すことができないということの例えで使われています。
覆水盆に返らずの「覆水」とは、「こぼれた水」のことを指し、「盆」とは、「水などを入れる平たい鉢」のことを指します。そのことから一度入れ物からこぼれた水はどう頑張っても戻せないというのがこのことわざの直接的な意味になります。
明日のプレゼンのため、徹夜をして企画書を作ったのに、保存する前にパソコンのバッテリーがなくなりデータが全て飛んでしまった。まさに覆水盆に返らずだ。
昔からの友達と喧嘩をして仲直りをせずに引っ越して音信不通になってしまった。覆水盆に返らずとは言うが、可能であるならばその友達と仲直りをして、もう一度昔のような関係に戻りたい。
覆水盆に返らずというように、過ぎた時間を戻すことはできないから今この瞬間を目いっぱい楽しんで過ごそうと思う。
今日は友達との約束があるから覆水盆に返らぬようにきちんと予定を立て準備は万端だ。
良い例と悪い例、どっちも似たような使い方じゃないかと思われるかもしれません。しかし、覆水盆に返らずというのはよくないことが起こった時、過去の失敗を後悔する時、若しくは、今の現状を後悔しないよう自身に言い聞かせる時に使うことわざです。
英語では「There is no use crying over split milk」と言い、こぼれてしまったミルクを嘆いても無駄だ、という意味です。つまり、覆水盆に返らずということわざはマイナスの状況にのみ使う言葉です。
覆水盆に返らずの語源とは??
https://blog.goo.ne.jp/siroi_1956/e/41a5fd45fc8a2f55006b42f76bcde7db
「覆水盆に返らず」このことわざの出典は、中国の「拾遺記」という小説集の中に乗っている話が元であると言われています。
周の国(中国古代の王朝)に呂尚(りょしょう)と馬氏(ばし)という夫婦が存在していました。しかし、夫の呂尚は大の読書家で働きもせずに読書に勤しむような人で、妻の馬氏はそんな呂尚に愛想をつかして実家に帰ってしまいました。
そして時は経ち、呂尚は王に見出され大きく出生し「太公望」と呼ばれるようになった途端妻の馬氏は手のひらを返したかのように、呂尚に復縁を迫りました。
しかし呂尚はそれにうなずくことなく、盆の水をこぼして「この水を元に戻せたのならば、復縁に応じよう」そう言ったそうです。
馬氏は何度も何度も挑戦したのですが、手ですくえたのは水ではなく泥ばかり、水だけをすくうことはできませんでした。
それを見ていた呂尚は「お前は一度別れた、なのに復縁を迫ってきけれど、こぼした水は盆には返せない」と言って断ったという話があります。
この話からこのことわざは生まれたそうです。
因みに、夫婦仲の復縁するしないからできた言葉なので「帰らず」と間違って覚えている人も多いかと思いますが、そこは「返らず」が正しい表記になります。
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