柿落としとは?意味や由来を解説!「かき」と「こけら」は何が違う?杮落としって言葉、聞いたことありますか?「かき」とは違いますよ!ついつい間違えそうな杮落としについて、「かき」と「こけら」は何が違うのか詳しく見てみましょう!柿(こけら)落としの意味や由来を解説!
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杮落としとは?
杮落とし(こけらおとし)という言葉を聞いたことありますか?あまり聞き慣れない言葉かもしれませんね。
杮落としとは
劇場用語で、新築劇場あるいは改築した際に、開場を記念して行う開場興業のこと
簡単に言うと、新しくなった劇場で初めて行われる催しのことです!杮落としでは、劇場の特性に合わせた内容を演目としますが、慶事の内容が多いようです。
「こけら」と「かき」の違いは?
杮落としの「こけら」とはそもそも何なのでしょうか?漢字を見ると、「かき」という字に見えます。
実は、「こけら」と「かき」は別の字なんです!どう見ても同じに見えてしまいますが漢字を構成している右側の旁(つくり)の部分が違うんです。
・杮(こけら)の旁は、縦線が上から下までつながって十と書く
・柿(かき)の旁は、「亠+巾」で市と書く
似ている二つですが、書き方が違うんです♪「かき」と違う文字ならば、「こけら」とはどんな意味なのか、見当もつきません。
杮落としってどんな意味?
「こけら」という言葉自体、普段聞いたことが無いのに「杮落とし」なんて尚更分からない、という人も多いですよね。
「こけら」とは材木を削った際の木片のことで、転じて板屋根を葺(ふ)くのに用いる薄い木材をさします。
昔は劇場は瓦が許されず葺(こけらぶ)きの建築で、葺きが終わり屋根の上に残っている木片を払い落とせば、建築の完成を意味していました。
屋根や、足場に残ったこけらを払い落として初めて完成と呼ぶので、劇場の杮落としでも、「こけら」を払い落として完成をお祝いましょう、というわけです。
このことが「こけら落とし」の由来になっています。
杮落とし公演は、どんなことをするの?
杮落としがどんなものかは、ここまでご説明してきました。
でも、なんだか難しい漢字だし、その演目も難しかったり、初興業だから堅苦しく厳粛な雰囲気で行うんでは…なんてイメージしてしまいますよね。
そうなると、具体的にはどんなものを公演するのかが気になってきますよね♪日本で実際に杮落としが行なわれた、劇場と演目をいくつかご紹介します!
『東京宝塚劇場』…白井鐵造作「花詩集」(1934年)
『新東京宝塚劇場』…月組「いますみれ花咲く」「愛のソナタ」(2001年)
『大阪四季劇場』…ミュージカル「マンマ・ミーア!」(2005年)
『四季劇場(夏)』…「美女と野獣」(2009年)
比較的、舞台などを観ない方でもわかるようなものを例にあげてみましたが如何でしょうか♪杮落としという言葉から、なんとなく堅苦しいイメージを持ってしまいがちですが、実は思っているよりも堅苦しいものではないんですよ!
その他に、もっと身近な杮落としだと、よしもとなどの漫才・コントなどを行う劇場では、お笑いも公演されます。因みに海外でも杮落としの文化はあり、オペラの公演やバレエの公演が行われます。
どの杮落としでも、有名な人を起用したり有名演目を行うことで、これからの成功を祈り初興業での大盛況を目指します。もし、皆さんの近くでも杮落としが行われることがあれば、是非観に行ってみて下さいね♪
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