煩悩の意味とは何?108個の種類/数を一覧紹介!由来や除夜の鐘との意外な関係も!仏教用語の一つでもある煩悩の意味とは?なぜ煩悩は108個?前世や来世にも繋がりがあるって本当!?その種類/数について一覧で紹介!煩悩の由来はどこから?除夜の鐘との意外な関係についても調査しました!
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煩悩の意味とは何?なぜ108個?
煩悩の意味とは何?
仏教の教えの一つで、心身を苦しめ、悩ませる精神作用のことを言います。
「煩(はん・ぼん)」は「わずらわせる」・「悩(のう)」は「なやみ苦しむ」という意味の漢字で、文字通り「煩わせ悩み苦しむ」心の変化が煩悩です。
仏教では悩みや苦しみは自分自身の煩悩が原因であると考えられ、その数は一人108個あると言われています。
なぜ煩悩は108個?由来は?
煩悩の数が108個になった由来は所説あります。
ここでは代表的な2つの由来をご紹介します(*^^*)
人間の煩悩の根源には、「貪瞋痴(とくじんち)」と呼ばれる三毒があります。
最も克服すべき3つの煩悩です。
さらに慢・疑・見と合わせた六大煩悩を細かく分類することで、九十八随眠(ずいめん)と呼ばれる98個の煩悩になります。
そして随眠に附随して起こる煩悩である十纏(じってん)は10個です。
この10個を足すことで、108個の煩悩になるという説です。
人間は「眼・耳・鼻・舌・身・意」の6つの感覚を使って様々なことを認識します。
これを仏教の世界では六根と呼び、この六根を通じて煩悩が生まれると言われています。
六根はそれぞれが3種類に分けられます(6×3=18個)。
私たちは日常的に見たものや感じたものを自分なりに判断しますが、それこそが煩悩であるということです。
先ほどの18個の煩悩は2種類に分けられるため、18×2=36個になります。
さらに六根は前世・現世・来世の3世に渡ると言われることから、36×3=108個に。
これがこの説の考え方です。
煩悩にはどんな種類がある?
煩悩の由来がわかったところで、次は種類を一覧で詳しく見てみましょう。
①九十八随眠と十纏
- 貪(強い固執、欲求心)
- 瞋(怒り)
- 痴(無知な心・愚かな心)
- 慢(思い上がり)
- 疑(疑う心)
- 見または悪見(間違ったものの見方をする心)5種類の見に分かれます。邪見・見取見・有心見・辺執見・戒禁取見
欲界集諦 (欲界は本能的な欲望が入り混じる世界・集諦は苦しみの原因が集まった状態) |
貪・瞋・痴・慢・疑・邪見・見取見 |
欲界道諦 (道諦は悟りを開くための方法) |
貪・瞋・痴・慢・疑・邪見・見取見・戒禁取見 |
欲界滅諦 (滅諦は苦しみがなくなった涅槃のこと) |
貪・瞋・痴・慢・疑・邪見・見取見 |
欲界苦諦 (苦諦は病気や離別など人生における悩みや苦しみのこと) |
貪・瞋・痴・慢・疑・邪見・見取見・有心見・辺執見・戒禁取見 |
色界集締 (色界は情欲と色欲が存在する世界) |
貪・痴・慢・疑・邪見・見取見 |
色界道諦 | 貪・痴・慢・疑・邪見・見取見・戒禁取見 |
色界滅諦 | 貪・痴・慢・疑・邪見・見取見 |
色界苦諦 | 貪・痴・慢・疑・邪見・見取見・有心見・辺執見・戒禁取見 |
無色界集諦 (無色界は欲が全くない状態の世界) |
貪・痴・慢・疑・邪見・見取見 |
無色界道諦 | 貪・痴・慢・疑・邪見・見取見・戒禁取見 |
無色界滅諦 | 貪・痴・慢・疑・邪見・見取見 |
無色界苦諦 | 貪・痴・慢・疑・邪見・見取見・有心見・辺執見・戒禁取見 |
修惑欲界 (修惑は人々が生まれながらに持っている欲や考えのこと) |
貪・瞋・痴・慢 |
修惑色界 | 貪・痴・慢 |
修惑無色界 | 貪・痴・慢 |
十纏 (まとわりついてなかなか離れない煩悩) |
悔・眠・慳・嫉・忿・覆・惘沈・無慚・無愧・掉挙 |
②六根
眼・耳・鼻・舌・身・意(五官と心)は、それぞれがこの3種類に分けられます。
- 好(快い・好ましい)
- 悪(不快・好ましくない)
- 平(どちらでもない)
物事の感じ方、人間の感情を指します。
これらを、さらに2種類に分けます。
- 染(汚い状態)
- 浄(清らかな状態)
そして、これら全てが3世に渡るというようになっています。
こうして見てみると煩悩は悪いもののように見えますが、実はそうでもありません。
自分の中にある悩みや苦しみを認め、向き合うためのものが煩悩だからです。
煩悩を消すのではなく上手に付き合うおうとすることが大切なんですね。
除夜の鐘との意外な関係とは?
大晦日の夜といえば、除夜の鐘ですね。
テレビでも生中継でお寺の映像が映され、1年の終わりを実感します。
除夜の鐘は、煩悩ととても深い関係があります。
除夜の鐘は、煩悩の数と同じ108回鳴らします。
これは人々の煩悩を消すためです。
その年1年の煩悩を消し去り来年は惑わされませんように、と願って鳴らします。
107回を12月31日に、108回目を1月1日になった瞬間に鳴らすお寺もあります。
お坊さんが交代しながら鳴らしたり、参拝者が順番に鳴らしたりと方法も様々です。
一般の人も参加できるお寺に足を運んでみてはいかがでしょうか?(*^^*)