頂くと戴くの使い分け・違い・意味は?敬語の場合は平仮名表記が良い?読みは一緒、話し言葉では違いも意識しない「頂く」と「戴く」の使い分けと違い、意味は?敬語の場合は漢字と平仮名表記、どっちが良いの?そんな使い分けに迷う言葉、「頂く」と「戴く」について徹底解説します!
「頂く」と「戴く」の使い分けや違いと意味
みなさんは誰かと話しをするとき「いただく」の言葉の漢字を意識したことがありますか?
ほとんどない方が多いと思います。私もその1人です。(笑)
実は「いただく」という言葉には、漢字にすると「頂く」と「戴く」のふたつがあります。
このふたつの「頂く」と「戴く」は使うタイミングや意味に違いはあるのでしょうか?
今回は「頂く」と「戴く」について詳しく説明したいと思います!
まずは「頂く」の意味と例文を見てみましょう♪
・大切にする、または、大切に取り扱うこと
・苦労もなく、何かを手に入れること
・自分より上のものを敬い、迎えること
・頭に載せる、被せること
・「食べる」、「飲む」や「もらう」の謙譲語
など、いろんな意味があるのですね。
では実際、どのように使われるのでしょうか。
「もらう」の謙譲語の場合
・「先生から、励ましのお言葉を頂きました」
・「確認のため、少々お時間を頂きます」
「食べる」「飲む」の謙譲語の場合
・「ごちそうを頂く」
・「お茶を頂きます」
実際の使い方から見ると、「頂く」は行為に対して使われる言葉ですね。
続いて、「戴く」の意味と例文を見てみましょう。
・頭に物をのせること
・面を持ち上げて被せること
・ありがたく、受けること
・「もらう」の謙譲語
では実際に「戴く」はどのように使われるのでしょうか。
・「王冠を戴く」
・「優秀賞を戴きました」
・「高価なお土産を戴く」
例文を見ると「戴く」は物品や物に対して使われる言葉ですね。
意味を見ると、どちらにも、同じような意味が含まれていますが、「戴く」は主に、対象となるものが自分よりとても上であるときや、品物や物に関するときに使われます。
そして実は、「戴く」は王様の頭に冠を載せる儀式(戴冠式-タイカンシキ)からきているのです。
ですので、「戴く」は相手を敬うときに使われます。
例えば、普通のお品ではなく、とても貴重なお品をもらうときには「戴きます」を使います。
確かに、「もらい物」という意味である、「戴き物」には「戴」の漢字が使われていますね!
つまり、
「頂く」
・目に見えるものと、見えないものの両方に対して使える。
・常用漢字
「戴く」
・目に見える物に対してのみ使う。
・より相手を敬うときに使う。
・常用漢字ではない
なので、「時間」や「言葉」など目に見えないものをもらうときには「戴く」は使えません。
「頂く」と「戴く」敬語の場合は平仮名表記がいい?
では、「頂く」と「戴く」敬語の場合はどちらがいいのでしょうか?
それとも、平仮名表記の「いただく」がいいのでしょうか?
調べてみました!
では例文を参考に見てみましょう。
1.「どうぞ、お召し上がりください」に対して。
〇 「頂きます」、「いただきます」
× 「戴きます」
2.「お土産を買ってきました。よかったらどうぞ」に対して。
〇 「頂きます」、「いただきます」
× 「戴きます」
3.「(高級なお菓子)こちらをお持ちしました。よろしかったら、お召し上がりください」に対して。
〇 「戴ます」、「頂きます」、「いただきます」
4.「優秀賞をいただきました」を文字にすると…
〇 「戴きました」、「いただきました」
× 「頂きました」
5.「参考にしていただく」を文字にすると…
〇 「いただく」
× 「頂く」、「戴く」
あらっ。「参考にしていただく」は平仮名表記が正しいんですね…。
ではなぜ、「参考にしていただく」は平仮名表記が正しいのでしょうか。
実は、「参考にしていただく」は「参考にする」という動詞に対し、「いただく」が助動詞になるのです。
助動詞として使うときには、漢字では表記できないので、平仮名表記が正しいのです!
このようなこともありますので、迷ったら平仮名表記が間違いないでしょうね♪
「いただく」の世界にもこのようなルールがありますので、正しく使い分けましょう!
それに、助動詞には漢字が使えないなんて知らなかったわん!
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