馬場馬術とは?障害馬術との違いは?オリンピックルールも調査!馬術競技のひとつ、馬場馬術とはどんな競技?障害馬術との違いはなに?ロンドンオリンピックでも話題になった馬術。オリンピックならではのルールがあるって本当?馬術競技をより楽しく観るために、ルールを調査してみました!!
馬場馬術とは?
馬術競技のひとつで演技の美しさ・正確さを競います。
馬場馬術はドレッサージュとも呼ばれますが、これはフランス語で調教の意味をもつDressageが語源です。
経験や馬の調教状態によってクラス分けされます。
60m×20mの平坦な競技場で「規定演技」「自由演技」の二つを行い、点数で審査されます。
- 規定演技…あらかじめ決められた演技を行う種目。
- 自由演技…決められた動きを取り入れて構成し、音楽に合わせて演技を行う種目。
まるでフィギュアスケートのようですね(^^♪
特に規定演技はわずかなミスが減点に繋がるため、ショートプログラムによく似ていると言われるほど。
馬場馬術の基本的な動きは、
- 常歩(なみあし)
- 速歩(はやあし)
- 駈歩(かけあし)
この三つです。
さらに
- 跳ねるように肢(あし)を高く上げながら歩く「パッサージュ」
- 後ろ肢を軸にその場で回転する「ピルエット」
- その場で肢踏みするような動きの「ピアッフェ」
- 駈歩をしながら左右の肢を入れ替える「フライングチェンジ」
- 肢を左右交差させながら横向きに歩く「ハーフパス」
などのステップがあり、これらを組み合わせて演技を行います。
規定演技ではこれらを、競技場内に書かれたアルファベットを頼りに決められた順に披露します。
例えば「BからCまで常歩、CからDまではパッサージュ、Dでピルエット」などのように決められており、その正確さや動きの美しさで審査されます。
馬への合図には、体重の移動や足の動きなどを使います。
できる限り小さく正確な動きで合図を送ることで、騎手も馬も動きが不自然になりません。
上位クラスの騎手の合図は一目見ただけではわからないような小さな動きで、馬が自ら演技していると思えるくらい自然な動きです!Σ(゚д゚)
日々の練習や馬との信頼関係が大切であるとわかりますね。
障害馬術との違いは?
高く設置されたバーを馬が華麗に飛び越える姿を見たことはありませんか?
障害馬術と呼ばれる、馬場馬術と同じく馬術競技の一つです。
馬場馬術との大きな違いは「コース内の障害物を飛越し、より早くゴールする」という点です。
障害馬術とは、競技場に設置された障害物を決められた順番通りに飛越しゴールする競技のこと。
ゴールするまでのタイム・障害物落下の有無などが審査されます。
「標準競技」と「スピード&ハンディネス」の二種目があります。
- 標準競技…障害物を落下させると減点となる種目。
- スピード&ハンディネス…障害物を落下させた分だけタイムに換算される種目。
障害馬術はタイムを競うため、コースを正確に最短距離で移動することも重要なポイントとなります。
減点の対象となるのは障害物落下のほかに、
- 指示を聞かない(反抗)
- 反抗を一定時間以上続ける
- 制限時間超過
- 順路を間違える
- 落馬・人馬転倒(乗っている状態のまま馬が横転)
などもあります。
馬と騎手の息ぴったりな動きは圧巻です!
馬場馬術と障害馬術のもう一つの違いに、服装があります。
これは公式で定められています。
馬場馬術の服装
- 黒または濃紺のハット・上衣(燕尾服またはジャケット)
- 白のシャツ・乗馬ズボン・ネクタイやチョーカー・手袋
- 黒の革製長靴
- 競技場内に鞭を持ち込んではいけない
障害馬術の服装
- 黒か紺の三点固定式ヘルメット
- 黒か濃紺または赤色の上衣(ジャケット)
- 襟と袖口が白のシャツ
- 白のズボン・ネクタイ
- 革製の長靴
- 長さが75㎝以下の鞭
大きな違いは上衣の種類と鞭の有無、ハットかヘルメットか、です。
特に馬場馬術では美しさも審査の一つになることから、騎手の服装もフォーマルウェアです。
もちろん馬もイヤーネットや額革などを身に着けておしゃれに登場します(*^^*)
場内に鞭を持ち込まないのも、馬場馬術ならではですね。
馬術競技のオリンピックルールは?
オリンピックの馬術は、「動物と共に出場する」「男女が一緒に競技を行う」という点が他の競技にはない特徴です。
選手の体力よりも馬をコントロールする技術や馬との信頼関係の方が必要なため、年齢も幅広いです。
ロンドンオリンピックの時に出場された法華津寛さんは当時71歳で日本最年長選手でした。
オリンピックでは
- 馬場馬術
- 障害馬術
- 総合馬術(馬場馬術・障害馬術・クロスカントリー競技の三種目を三日間で行う)
この三種目を個人・団体(3~4人)それぞれ行います。
団体枠に出場できなかった国は個人枠に出場します。
基本的なルールはあまり変わりませんが、障害馬術・総合馬術は減点法で採点するため、ミスが少ないほど上位になります。
馬場馬術はクラスの中で一番高い「グランプリ」「グランプリスペシャル」が行われ、合計点が高いほど上位に。
ほかにも
- 総合馬術の個人決勝戦は障害馬術のみ。
- 団体はチームのうち三人の合計点で順位が決まる。
- 馬場馬術は規定演技で行われるが、個人決勝のみ自由演技となる。
- 障害馬術ではタイムを競わない。
など様々なルールがあります。
次のオリンピックでもぜひ馬術競技に注目したいですね♪