quasi(クアジ)の音楽上の意味とは?発祥はドイツ語・ラテン語どっち?音楽用語のquasi(クアジ)っていう言葉、聞いた事ありますか?quasi(クアジ)は音楽上どんな意味で使われているのか?発祥は?ドイツ語?ラテン語?今回は、quasi(クアジ)が気になるあなたに解説します。
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quasi(クアジ)の音楽上の意味とは?
楽譜には、音符以外にもその曲を演奏するためのヒントが沢山ちりばめられています。
楽譜の上に書かれた記号や何語だかわからない小さな文字、見た事ありますよね?
quasi(クアジ)もそんな、譜面の上に書かれている音楽用語の一つなんです( *´艸`)
quasi(クアジ)は音楽上で、「およそ。~のように」という意味を表します。
意味からもわかるように単独ではなく、他の音楽用語の前につけて使われます。
●quasi(クアジ)の使用例
- quasi andante(クアジ アンダンテ)
およそ歩くような速さで
☆andante…歩くような速さで
アンダンテのように他の音楽用語「強弱・速度を表す記号」や「表現を表す用語」と一緒に書かれる言葉ですが、「~のように」という意味なので、普通の名詞の前に置かれる事もあります。
●名詞の前に置かれるquasi(クアジ)
- quasi arpa(クアジ アルパ)
ハープのように
☆arpa…ハープ
上記のハープのように、「月光」という名前で知られている、『ベートーヴェンのピアノソナタ第14番』のタイトルにもquasi(クアジ)という単語が使われています。
●ベートーヴェンの曲に使われるquasi(クアジ)
- 「Sonata quasi una fantasia 幻想曲風ソナタ」
幻想曲のようなソナタ
ちなみに速度を表す記号にはさまれて書かれることもありますよ(*‘ω‘ *)
●速度を表す記号に挟まれるquasi(クアジ)
- andantino quasi allegretto
アレグレットのようなアンダンティーノ
☆allegrettoやや速く
☆andantinoやや遅く(andantinoよりは速い)
一体速いんだか遅いんだかよくわかりませんよね(=゚ω゚)ノ
結局どんな速度なんでしょうか。演奏する人の解釈や感覚によっても差が出てくるような気がします。
せっかちな人のアンダンティーノとのんびり屋さんのアンダンティーノとか…。
楽しい時のアレグレットと悲しい時のアレグレットも違うかもしれません。
でもそういう違いが、演奏の表現の面白さにつながるのかもしれませんね♬
quasi(クアジ)の発祥はドイツ語?ラテン語?
ところでquasi(クアジ)って一体どこが発祥の言葉なんでしょう?
quasi(クアジ)はイタリア語の音楽用語です。
●quasi(クアジ)の語源
「あたかも・・・であるかのように」という意味のラテン語「quam si」が語源になっています。
イタリア語では「ほとんど、およそ」という意味の副詞として使われています。
「ほとんどね。大体ね。」と言いたい時に「quasi.」とひと言で伝える事もできます。
会話ではよく「quasi quasi」と2回繰り返して言う事がありますが、その場合はちょっとニュアンスが変わり、「~してしまおうかな」という意味の表現になります。
音楽用語という意味ではイタリア語がもとになっていますが、ドイツ語でもquasi(クアジ)という単語は使われています。
ドイツ語もイタリア語同様「ほとんど、いわば」というような意味で、日常的によく使われる単語です。
また、英語では「類似の、準~」という形容詞として使われています。
ヨーロッパなどの他の言語でも似たような意味で使われている言葉なので、語学に詳しい人には馴染みのある単語かもしれませんね(*´ω`)
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