コキュートスの意味とは?地獄の最下層?!英語が語源?ダンテに関係が?コキュートスなんて聞き慣れない言葉について今回は説明していきます。地獄の最下層という意味だったり、英語が語源だったり、ダンテに関係があったりとなんだか難しそうな言葉ですが、分かりやすく紹介できたらと思います。
コキュートスの意味とは?
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コキュートスという聞き慣れない言葉の意味について紹介していきたいと思います。
「コキュートス」または「コーキュートス」という言葉の意味はギリシャ神話の冥府に流れるという川、通称「嘆きの川」になります。
同じく「嘆きの川」「苦悩の川」と称される、地下の冥府を流れているアケローンという川にその水を注ぎこみます。
因みに冥府というのは、亡者の国、黄泉の国と呼ばれるところで、特にギリシャ神話では死後の世界を指す言葉です。
その冥府は5つの川「ステュクス」「フレゲトン」「レーテー」「アケローン」そして「コキュートス」に囲まれています。
それぞれの川の説明をしたいところですが、次の機会にしましょう。
コキュートスって結局なに?
コキュートスというのは結局何なのか説明していきましょう。
コキュートスと神曲について
ダンテが著した「カンティクム」というキリスト教聖歌の一つに「神曲」というものがあります。
その中の第一篇である「地獄篇」にてコキュートスは地獄の最下層である第九層にあたり、最も重い罪とされる裏切りを犯した者が閉じ込められる氷の地獄です。
コキュートスは4つの円で構成されており、外側から順に罪が重くなっていきます。
そんな4つの円とは、外側から
- カイーナ :血縁者に対する裏切り者がいる。
- アンテノーラ:祖国に反逆する者がいる。
- トロメア :賓客に対する裏切り者がいる。
- ジュデッカ :恩のある主に対して反逆したものがいる。
という構成になっております。
因みに、カイーナは人類初の殺人の加害者であり被害者の「カイン」の名前に由来します。
アンテノーラは最も古い古代ギリシアの詩作品「イリーアス」の「アンテノール」に由来します。
トロメアは「マカバイ記」というユダヤの歴史を描いた歴史書の一つで、そこに記されているジェリコの首長である「トロメオ」に由来します。
ジェリコというのはパレスチナ東部にある県のことを言います。
そして最後のジュデッカはイエスの弟子12人のうちの一人「イスカリオテ(イシュー・カリッヨート)」、イスカリオテのユダに由来します。
ジュデッカには魔王サタンが封印されていると言われています。
サタンというのはユダヤ教、キリスト教において「神の敵対者」、イスラム教においては「人間の敵対者」とされます。
かつては神に仕えていたのですが、堕天使となり、地獄の長となって悪魔の象徴とされています。
コキュートスの語源とは?
そんなコキュートスの語源は英語なのでしょうか?
「コキュートス」とは「Cocytus」若しくは「Kokytos」と綴られるギリシア語で、ギリシア文字では「κωκυτός」と表記します。
先ほど紹介しましたがその意味は「封印の氷地獄」で、神曲の中での扱いと一緒です。
コキュートスとは冥府に流れる「嘆きの川」であり、ダンテが著したキリスト教聖歌の一つ「神曲」では地獄の最下層とされています。
そんなコキュートスの語源はギリシア語で、意味は「封印の氷地獄」になります。
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